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第12章 【第二部 * Water ring * 】見えない心
「…えっ…、あ、何でもない…。何言い出すんだ、高橋!」
「あれっ、この話題マズカッタ?でもこの間のあれって津山にスゲー似てるジャン。ま、あっちの方が色気有ったし、数段可愛いかったけどな。でも、赤の他人にしちゃ良く似てたよなー、もしかして親戚?なら紹介しろよ、マジ実物見てみたい。なぁ、実咲…おまえもそう思うだろ?」
高橋から振られた実咲の目が泳いでいる。
腰が妙に落ち着かない。
「でも、よく考えてみたら津山がそんなことするわけねーよな。耿輔はともかくとして…」
(なに~っ!!)
俺は一瞬にして全身の血が凍り付きそうになった。
同時に、”耿輔”の言葉に全ての謎が解き明かされる。犯人は…おまえだ!実咲~!
実咲が席を立つより早く俺は椅子をテーブルに押し込むと、サッサとその不毛な会話の場を後にした。
やっぱり、金輪際おまえのことを友だちだなんて呼ぶのはよそう…
己の借金の形に中学からの友だちを平気で売るようなヤツ!高橋の一言で、一度は治まりかけた怒りが再燃する。
”実咲の馬鹿ヤロー!”