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第13章 市場?私情介入

でも…、俺はあの元気のない耿輔の声が耳について離れなかった。

元気ないからって俺には全然関係ないことなのに。

(なんで…)

携帯を眺めながら突然浮上したもう一つの選択肢に懊悩する俺。

(馬鹿だ…、実咲より馬鹿なのは俺だろう)

気付いたら受信履歴から”その”番号を拾い出してコールしていた。

コール音が3回、4回…7回、8回…もう寝たのかもしれない。

(…もう一回で切ろう…)

俺がそう思ったとき、突然耳許に掠れた声。

「もしもし…」

俺はその声に慌てて、いきなり電話を切ってしまった。

何してるんだか…
何処まで馬鹿なんだ…俺は。

不毛としか言いようがない俺の行為。
まるで、片思いの女の子に初めて電話を掛けた時みたいだ。己の意味不明の行動に嘲笑が漏れた。
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