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第14章 扉の向こう側 ―背反、或いは排反―
耿輔の明るい表情の下に隠されているのは、実は底なしの孤独なんじゃないか。
俺が付け入る隙なんか全くないような…
そう思ったら、目頭に熱いモノが込み上げてきた。
そのまま溢れて頬を伝う雫を、耿輔の濡れた舌先に丁寧に舐め取られる。ゾクゾクする感触。
「モトミ…我慢できない…ベッド行こう…」
先に音をあげたのは耿輔の方。
「ダメだよ…おまえこんなに熱があんのに…なに言って…」
「…おまえを感じたいんだ…触れるだけだから…」
「…触れるだけッテ…そんなこと…出来るわけ…」
「病人なんだぞ…我が儘聞けよ…」
熱い感触…、ずぶずぶと填っていきそうな危うい快感。
躯を開けば相手のことをもっと理解出来るかもしれないなんて…そんなの嘘。
ただ、からだを寄せ合うだけじゃダメなんだ。
ホントの意味で相手を見ていなければ…
今まで俺は耿輔の何処を見てきたのだろうか…
俺にとって耿輔がどれほど大切な人間なのか本気で考えたことなど無かった。