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第16章 モトミの試練 ―腐れ縁―
そもそも実咲相手に本気で怒るほうが間違っていた。
実咲に背を向けて、キッチンの窓が切り取る四角い空に目を遣る。
都会の空に向けられたモトミの目は遠い。
「おまえなぁ…、俺が躯張るのは当たり前って?!だから、俺の酒に目薬中身丸ごと一本入れて、行動心理学の被験者にしたわけ?スクリュードライバーに睡眠薬盛ったのも親友だからか?やりすぎだとは思わないのかよ!目当ての女の子を目の前にして眠らされる俺の身にもなってみろ。親友だったら何やっても許されるって?!労(いたわ)りとか、デリカシーとか云う言葉はおまえにはないわけ」
このところの睡眠不足と共に、モトミの憤りは頂点に達する。ここぞとばかり、実咲に対する日頃の鬱憤を一気に吐き出した。
そして、まな板も包丁もそのままに、プイと隣の部屋へ。