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第16章 モトミの試練 ―腐れ縁―
大量のキャベツのあいだに呆然と佇む実咲。
実咲にとっては、この展開は非常にマズイ。
このままじゃ、明日の朝までに400人分の焼きそばの下ごしらえが終わらない。
それはヤバイ。
この面倒くさい作業をやっておかなければ、昼のかき入れ時、数時間で400人分の焼きそばを捌くのは到底不可能だ。
ここはひとつ自分を殺してひたすら詫びの姿勢。
「モトミ…、悪かった。ホント、これからはモトミの躯第一で考えるから。親友ってそういうもんだよな」
「そりゃ、どーも。有り難くて涙が零れるぜ…って取って付けたような言い方スンな!俺もうバイト行かなきゃなんないから、撤収しろよ実咲」
「え"ーっ、バイトって…、だって6時からだろ?まだあと2時間もあるジャン」
俄に焦る実咲。
少なくともモトミには、残り200人分のキャベツを刻むまでバイトに行かれては困る。