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第2章 美味しい話にはご注意下さい
「トモちゃん、こういうのは初めて?ま、自然体で良いから…無理に、演技しなくていい。
爽やかなスポーツ青年が襲われてるって図がそそるんだから」

「・・・」

 耿輔が最初に俺の名前を曖昧に言ったせいで、俺はここの連中から”トモちゃ”と呼ばれてしまう。
親父が俺を呼ぶときと同じように…最悪。
(因みにトモというのは俺のお袋の名前だ。親父は俺にお袋の面影を被せている。きもっ…)

「そのまま、パン・アップして…」

「ピンスポちょい右」

「もう少し霧吹いてみて。髪の毛とか背中の辺りとか。・・・良い感じ・・・OK!」

ォィ! 冷たいって!

俺の髪の毛も身体も先程から何度も霧吹きで水を吹き付けられて、もうびしょびしょだった。
寒っ・・・

「じゃ、コウ、トモちゃんの肩抱いて。…そうそう…そのまましっかり抱き竦めて…肩にキスして」


ぎょえ~~!
(俺の心の叫び・・・一旦空白になる頭)
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