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第4章 悪夢再来 ―ecstasy―
「…モ・ト…・ミ…!おい…モトミ…」

小さな叫びが俺を現実へと引き戻す。

耿輔に身体を揺すぶられて、激しく咳き込んだ後、荒い呼吸を繰り返しながらヤツの顔を見た。なんでそんな悲壮な顔してるんだ…

「大丈夫か…終わりだから…もう…帰るから…」

耿輔は壊れ物でも扱うように、俺の身体を優しく抱きとめながら、虚ろな頭の俺に理解できるようにゆっくり囁く。

気が付けば、俺を恣(ほしいまま)に揺すぶっていた刺激は身体の中から消えていた。俺の状態に危険を感じた耿輔が、激しすぎる刺激を中断させたのだろうか…グッタリとヤツに身を任せて、表情を失った俺はそんなことを曖昧に考えていた。

意識が遠のいたのは、ホンノ一瞬だったろうに、耿輔の顔を見たら何故か安心してしまう。痴漢に安心するなんて馬鹿な俺…自分でも信じられない。

悶える俺の身体を宥めるように、耿輔がそっと俺の腰をさする。

「大丈夫、心配すんな。クスリのせいだから…切れたら治まる。…それより、動けるか?」

耿輔の余りにも心配そうな顔に俺は無理して笑顔をつくった。

「…たぶんな…。…そんな悲壮な顔すんな……生きてるだろ…死んだ方がマシだけど…」

その言葉と同時にきつく抱き締められて息が止まるほど驚いた。苦しいって…
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