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第4章 悪夢再来 ―ecstasy―
『…新宿ー…お降りのお客様は……』
俺を行かせまいとする男の腕を何とか振り払って、流れる人混みを戸口へと向かう。
扉が閉まる寸前電車を降りると、耿輔の目論見通り反対線路に滑り込んできた総武線「三鷹方面行き」に乗り込んだ。
こちらもやはり満員だが、上りに比べれば雲泥の差。
混んではいるものの普通に人が乗られる状態。
余程酷い顔色をしていたのだろう、俺の前の若いサラリーマンが俺に席を譲ってくれる。
親切心より寧ろ、自分の上に吐かれちゃ堪らない、という恐怖心からか。
席を譲って貰った礼もそこそこに、今までの緊張からドット疲れが押し寄せて、いくらもしない内に俺は死んだように深い眠りに落ちていった。
さり気なく耿輔が俺の膝の上に自分のジャケットを被せる。何時いったのか気付かぬうちに自ら放ったもので、俺のジーンズの前が滲んでいたから。
結局何度いかされたのだろう…
そんな事さえ解らないままに、俺の意識は遙か彼方に消し飛んでいった。