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第5章 最悪の目覚め
「内藤さんに有無を言わさず連れて来られたんだよ!2時からバイトなんだ」

昨日のバイトの続き。きついけど高収入なのだから行かない手はない。それを聞いた耿輔の声は呆れかえっていた。

「は~!!まさかその身体で行くつもりじゃねーだろうな?」

「行くよ!生活掛かってるし…バイト代当てにしてんだから…」

俺はこんな裕福なマンションに住んでるおまえと違って、日々の生活に追われているのだ。
”働かざる者食うべからず”
(学生なのにか…学生の本分って、勉強することだろ)

「こっちの仕事のギャラが出るだろうが…出さないって言ったって、もぎ取って来るけど」
そう言う耿輔の勢いに俺は驚く。

あんな風にバイトを途中でとんずらしたのに、果たしてバイト代がちゃんと貰えるのだろうか。俺には、耿輔が言うようにそんな上手くいくとは到底思えなかった。
耿輔は頭から貰えるモノと断言するけど…

「だから、午後のは断れよ。tel入れとけば良いんじゃないか?何なら俺がかけてやろうか」 

絶対行くつもりでいたのに、耿輔の強引な引き留めに、結局断りのtelを入れる羽目になった。クスリの後遺症について教えてくれるのはいいが、これじゃ脅迫だ。
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