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第5章 最悪の目覚め

何もかも耿輔ペースで進む成り行きに、憮然とした表情の俺。さっきから黙ったままふて寝を決め込んでいた。
 
「…にしてもなぁ、おまえちゃんとメシ食ってるか?もう陸上辞めたんだから、体重制限とか無いんだろ?それじゃ痩せすぎだよ。もう少し身体のこと考えてバイトしろよな」

おまえに俺の身体のことをとやかく言われる筋合いはない。そりゃ、最近バイトが忙しくて、食事が不規則だったのは確かだけど。だからといって、それはおまえに関係ないだろ?

「ま、痩せてたお陰で何とか抱き抱えて車まで運べたけど…」

なに~、”だきかかえて”だと~!
電車から車まで?!
(まさか、知り合いに目撃されたりしてないだろうな)

耿輔の言葉を聞いて、俺の頭痛は一層酷くなった。
「亨(とおる)が居たから助かったけどな…それにしても、もっと食えよ。まぁ、あと何時間かは食べられないけど。クスリの副作用で数時間は全く食欲無いから」
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