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17歳の落書き
第2章 藤田先生と千晴の結婚生活 ~久しぶりのデート~
「用意したら。やっておくから」
「あ、うん……ありがとう」

どこかに連れていくと決めているようだ。
先生の振る舞いでそう気付く。

「哲さん、どこか行きたいところあるの?」
「いや、行きたいというか……せっかくだしな。水入らずも。昼飯でも食いに行こう」

洗濯機に入ったシーツの上に洗剤が注がれる。
それを見ながら、嬉しくなった。

デートみたい。嬉しい。

私はカジュアルなジーンズを脱いで、ワンピースを着た。
少し肌寒いので、上に薄手のコートを羽織る。
念入りにメイクをして、ソファで待つ先生の前で「かわいいですか?」と回ってみせた。

「……うん」

久しぶりに乙女気分な私に苦笑している。
先生もかっちりとしたファッションに身を包んでいて、とても素敵。

惺が生まれるまでは、先生に対してずっと敬語だった。
二人きりになると、その時を思い出す。


二人で家を出た。車に乗り込み走らせる。

今日は後部座席のチャイルドシートには誰も乗っていない。
それが少し落ち着かない。

「ふたりだけで乗るのなんて、ほんとに久しぶり……」

小さくつぶやく私の隣で、先生がふっと柔らかい微笑みを見せた。


「化粧品はあるのか?何か買い物するか」

そう言ってくれるけど、紅葉の並木道や、ゆったりとしたこの時間を先生と満喫したい、かも。
惺が生まれてからずっと走り続けてきた気がするから。


「このままドライブしたいなぁ。それでもいい?」
「いいけど、そんなことでいいのか?」


そうして、あてのないドライブが始まった。
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