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禁断背徳の鎖外伝・影の功労者
第6章 潜入
(判断ミス‥
相手を探るより、人命優先にすべきだった‥‥)
あの様子じゃ、傷なんか簡単に治らない‥
痩せた身体が元に戻るまで、どれだけの時間が掛かるのか‥‥
18才の少女に残る、身体と心の傷を考えると、自分はやっぱり判断ミスをしてしまった‥そればかり思ってしまう。
「・・・
橘‥来てましたか・・」
「うん、ちょっとだけお嬢さんの事覗いたけど‥
遠藤‥自分は間違った判断をしたんじゃないかって、無理をしてもお嬢さんを優先させるべきだった‥‥
あんなに傷付く前に‥‥」
壁に背を付けている遠藤も、どことなく悲しい顔。
「私も少しは思いました、何も手を出さなくていいのかと‥
他から多少手を回して見ましたが、私に出来る事は‥‥無かったんです橘・・」
「遠藤・・・」
ああ‥遠藤も後悔しているんだって‥自分と同じく何も出来なかった事に‥‥
(もし‥自分が本当にあのお嬢さんに手を出したら‥
お嬢さんの身体も心の傷も、全て消してあげれるのに‥‥)
自分だって、やってはいけない事がある‥
一般人に本格的に手を差し伸べる事、それは絶対にしてはいけない。
(忌々しい足枷め!
自由だったら、もっと前に止めてたよ!!)
自分の中の自分の葛藤‥
どうしても、その枠から出れない自分が腹立たしい。