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優しいヒトに虐められてます。
第5章 自分らしく
大学を出たハルは、その足で
直接大津川の事務所へ向かった。

「お邪魔しまーす…」
部屋はしんとしていた。

奥の部屋から彼が出てくる。

「いつも来てもらって悪いね」

私の記憶がトんだ日以来
彼の言葉には遠慮が見える。

最近はだいたいこんな感じだった。

「あ、今日はズボンなんだね。
どうする? 前みたいにタオルだけ巻く?」

「いえ、たぶん大丈夫です」
「そ。じゃ、いつもみたいに
着替えてきてくれる」
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