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第5章 自分らしく

「帰る前に、何か飲んでいく？」
トイレを出ると、キッチンの方から
大津川が声をかけてきた。

簡単な料理しかできなさそうな
狭いキッチンだ。

「あ、じゃあコーヒーをお願いします」
「はいよ」

ハルは休憩スペースのソファに座った。
先ほどから考えていることがあった。

よし、今日はちゃんと言おう。

少しして、彼がコーヒーを二つ
プレートに載せて持ってきた。

「じゃ、ごゆっくり。
飲んだら自由に帰っていいよ」

そう言って大津川はまた
奥の部屋に引き返そうとした。

「あ、待ってください！」