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第5章 自分らしく

「それって……どういう――」
「ごめん。今話すのは違うと思うから…」

「そう、ですか……」
彼の顔を見れば、本当に話すべきでないと
感じているらしいことがよくわかった。

「じゃあ、いつか教えてくださいね」
ハルは明るく言った。

大津川は俯きがちに頷いた。

「さて、大津川さんが私を大切に
考えてくれていることはわかりました。

なので、もうリセットしてもらえませんか？」
「リセット？」

「はい。いつもの大津川さんに！
私の気持ちを第一にしてくれるなら、
私が本当にそう望んでいることも
わかってくれますよね？」

彼は真顔でハルを見つめた後
不意に笑った。
「わかったよ」

彼は突然パチン、パチン、と
両手で頬を叩いた。