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第1章 二人の出会い

「でしたら、先にご家族に相談されても構いません」
「え…？」

その言葉は意外だった。

「金額の方も、高すぎるということでしたら
２分の１や４分の１、それでも高ければ
１０分の１にまで減らしてもこちらは構いません」

大津川は続ける。

「それでもまだ詐欺などを疑っておいででしたら
どうぞ私の顔写真でも指紋でも
取ってくださって結構です」

相手の弁舌に、ハルは
少し面食らった。

怒らせちゃったかな…

「私の方にはあなたを騙したり、
不快にさせるような意志は一切ありません」