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優しいヒトに虐められてます。
第9章 ここは猫カフェだから
ハルは寝台の方へ移動した。
すぐに彼が例の白紙を2枚もってきて寝台の上に伏せた。
それぞれちょっと恥ずかしい企画が記されているらしい。

「おすすめはどっちなんだっけ?」
「えっとね……」
彼は白紙をめくって確認してから、片方を差し出してきた。

「こっち」
「じゃあ、今日はおすすめ通りこっちに――」
差し出された方の紙に手を伸ばしたその時。

チャラリラリン、チャラリラリン……
ソファに置いてきたバッグの中で、ハルの携帯が
着信音を鳴らしていた。
ソファにポツンと置かれている様は
寂しくて主を呼んでいるようにも感じられた。

チラっと彼に目をやる。
「もちろん出ていいに決まってるでしょ」

彼の言を受け、ハルは小走りで携帯を取りに行った。
何とか切れる前に出ることができた。

「もしもし?」
『あ、もしもし? ハル?』
「うん。どうしたの、チエミ」
『んや、ちょっと今日の講義のノート見せてもらいたくて』

大津川が手招きしていた。
ん……?
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