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優しいヒトに虐められてます。
第9章 ここは猫カフェだから
「あ、ごめん。実は今出先で……帰ったら写真送るよ」
ハルは彼の方へ移動しながら答えた。
『おお、ありがと。ごめんね』

寝台の方まで来ると、彼が手帳に走り書きしたメモを見せた。
〈電話切らせないで〉
えっ……

『じゃ、帰ったら電話かラインしてくれる?
見せてほしいところ言うから』
「あっ、ちょっと待って」

ハルは通話の切れそうな気配に、慌てて引き留めた。
といっても、ハル自身なぜ引き留めなければいけないのか
わからないので、言葉に詰まってしまう。

『ん……どうかした?』
「あー……えっと、もうちょっと話したいなーって」
『おお、別にいいけど。フフ、なに、ハル今
ホームシック? ノスタルジア?』
「う……うーん、まあそんな感じかな」

大津川がまた手帳を見せた。
さっきからずっとペンを走らせていた。
〈ちょっと寝台に上がってくれる?〉
続けてぺらっとめくる。
〈ハルからはなるべく電話を切られないように引き留め続けて〉

何だろ……チエミと何か話でもしたいのかな。
怪訝に思いながらも、とりあえず話を続けながら
靴を脱いで寝台に上がる。
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