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優しいヒトに虐められてます。
第9章 ここは猫カフェだから
『出先って言ってたけど、今どこにいるの?』
「え? あー……ふふっ、ヒミツ」
『ええ~! 気になる言い方しないでよ~』
「ふふっ、ひ~み~つ~」
『そっちがその気なら、こっちも邪推してやる』
「別にいいけど、変なこと言いふらさないでよー」

会話に興が乗ってきたところで、彼が寝台の背後に
上がってきたのに気付いた。
ミシッ。

『お、何の音?』
「え? ああ、今ちょっと椅子が軋んだの」
『椅子……? どこだ……』
「ふふっ、どこでしょう? わっ!」
『おっ、今度はなに!?』
「あ、ううん。何でもない、あはは……」
『え~、何でもないって……』

ハルのお腹に、背後から手が回されていた。
背中に彼の身体の温もりが感じられる。

きゅ、急にどうしたんだろう……
ちょっと恥ずかしく感じながらも、素直に嬉しくなる。
電話ばかりで相手してくれず、嫉妬している恋人のような
少しキュンとするシチュエーションだ。

――まあ、彼がこのタイミングで嫉妬するわけもないのだが。
もしかして……トウキくんも寂しいのかな……
思考は自然と自分の望む方向へ向かう。
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