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優しいヒトに虐められてます。
第9章 ここは猫カフェだから
『もしかして家具でも見てるの?
椅子が壊れちゃったとか』
「ふふっ、残念。違うよ」
含みを持たせて言いつつも、正直どのあたりで
正解にしたらいいのかわからない。

と、不意に彼の手が、シャツ越しにハルのお腹を撫でながら
徐々に上へ移動し始めた。

「……えっ、ちょっ」
声は押さえたつもりだったが、さすがに耳に当てているだけあって
ほんの些細な囁きも聞こえてしまったようだった。
『ん? 今度はどうしたの?』

「あっ、ごめん、何でもないから、本当に」
電話口で答えつつも、視線だけは腹部に固定されている。

なになになに!? どんどん上に来てるんだけど!!

『え~? また何でもないの~?』
「う、うん。ほんとに何でもないから」
適当に流しつつ、顔を背後に向ける。

声には出さず唇の動きで伝える。
(ねえ、変に思われちゃうってば!)

伝わったはずだが、手はなぜか止まらず
ちょっとずつハルの胸元へ上がってくる。

もう~っ……何でこんな時に触ってくるの……
今日暑かったから、シャツもキャミも薄いの着ちゃってるのに……

あッ……
ついに彼の手がハルの胸を包んだ。
優しく、労わるように指先で揉んでくる。

ドクッ、ドクッ……
うぅぅ……なんか……ゾクゾクしちゃう……
もう、お願いだから揉まないで……
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