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優しいヒトに虐められてます。
第9章 ここは猫カフェだから
「……ぁ……こら」
チエミに聞こえるかどうかも怪しいような囁き声。
これが彼からの指示だ。
彼の意図は、次のチエミのセリフで判明した。

『んん? あれ………………あっ!
何だ、ごめんね、ハル。勘違いしちゃった。
ハル、猫カフェにいたのかぁ』

!?
えっ……?

……。

はっ! そういうこと!
それで今のセリフと鈴か!

ハルは事実を知っているせいで、チエミという第三者が
どういう風に捉えるか、把握するのに少し時間がかかった。

ハルはあきれと感心の混在した視線を背後に向けた。
彼は子供のような満足げな笑みを浮かべていた。

助けてあげたんだから触らせて?

とでも言いたげな顔で、ハルの両胸を再び
素朴な手のぬくもりで包み込んだ。
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