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優しいヒトに虐められてます。
第9章 ここは猫カフェだから
キュッ、キュッ、キュッ、キュッ……
クリトリスへの優しく、リズミカルな愛撫。
ハルは目を閉じ、口を少しだけ開けて
快感を受け止めていた。

声を出すまいと無理に口を閉じると
かえって呼吸が乱れやすくなる。
喉の奥に息を詰め込みながら声を我慢すれば
いつか必ず限界が来て、詰め込んだ息が大きな
喘ぎ声となって出てくるだろう。

だからハルは、目を閉じ、口を少しだけ開けて
極力呼吸を楽にし、声を出さないことだけに意識を集中した。

そんなハルの決死の集中を容赦なく破壊してくるのが――

『でね、そういう時に限ってあの人見当違いなこと
言ってくるんだよ。私としてはもっと察してほしいんだけど
あれが彼の本来の性質なら、受け入れないのは彼そのものを
否定してるような気がしちゃって……』

今、ハルはチエミから、彼氏に関する
悩みとも普通のお喋りともつかない話を一方的に聞かされていた。

一方的と言っても、おそらく寂しいから電話を切らないでと頼んだ
ハルを気遣ってのことだと思われた。
猫カフェで猫と戯れながらも寂しく感じているなどという設定では
母性の強いチエミに、強い哀れみを抱かれても仕方がない。

ただ一方的に話を聞かせてくるだけなら、むしろありがたかった。
問題なのは、話の終わりにどことなく
ハルの返しを求めてくるところだった。
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