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優しいヒトに虐められてます。
第9章 ここは猫カフェだから
ハルの少し膨らんだピンク色の小突起から手を離すと、
彼は後ろで何やら手帳にボールペンを走らせたようだった。

手帳を見せてくる。
「っ!」
え……

(これ、チエミに言っていいの……?)
顔を上に向けて尋ねると、大津川は頷いた。

「チエミ……」
『あ、ハル……』

「散々付き合わせちゃってごめんね。
嫌になったら、もういつでも切っていいからね」
『えっ……』
「みゃあー!」
『うわっ!? 何!?』

突然発した大津川の猫声にハルもビクッとした。
チエミのように声に出なかったのは、猫カフェで何度も
聞いた声だからか(彼曰く『猫語』)。
彼がまたさっと手帳を見せてきた。

「水飲みたいの?」
ハルは指示された通りのセリフを言う。

「みゃ~」
甘えるような声で大津川が返す。
相変わらず、声と容貌が合致していない。

が、猫カフェで初めて聞いた時と同様
ハルはかわいいギャップにちょっとキュンとしてしまった。
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