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優しいヒトに虐められてます。
第9章 ここは猫カフェだから
『え、ハル……?』
携帯からチエミの声が聞こえる。

「大丈夫、こっちの音は聞こえない」
大津川が諭すように言った。
「これで遠慮なく気持ちよくなってくれるよね?」
「う、うん……」

『あのう……ハルさーん……』
チエミの声がハルのピンクな気分を削いだが
ハルの返答が来ないと知るなりすぐにその声もなくなった。

声がなりを潜めたところで、彼がハルの頬に手を当てた。

「フフ。お友達さんが静かになったね。
ハル、快感に襲われる準備はできてる?」
ハルはその魅惑のボイスにあてられ、唐突に自分も同じくらいの
魅惑で応えたくなってしまった。

こ、これでどうかな……?
赤く火照った顔で甘えるような表情を作り
下から彼の目を上目遣いで見上げる。

見つめる……見つめる……
見つめる……

かぁぁぁぁっ!
プイっ。

自分で挑戦しておきながら
すぐに真っ赤になってリタイア。

ま、まだ私には難易度が高かった……

「んんー? まだできてない?
言ってくれないとわかんないなあ」
恥じらいを気にせず快感を得ることに傾注できるのは
もちろんハルにとっても嬉しい限りに決まっていた。

彼に急かされたハルは、今度こそ彼と視線を合わせた。
甘く熟れたリンゴ顔でハルは言う。

「もう……は、早くしてよ……冷めちゃうじゃん」
さっきの今とあって、ちょっと素直になりきれず
ツンとした声になってしまった。
彼の反応は――

「カワイっ」
「んっ……」
ハルの頬に彼の唇が触れた。
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