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優しいヒトに虐められてます。
第9章 ここは猫カフェだから
大津川が携帯の画面をハルに見せていた。
同時に彼も画面をのぞき込む。
視界に映る彼の顔が硬直した。
心なしか青ざめていくようだった。

「ハ、ハル……?
ミュートに……しなかったの……?」
ハルは目を見開いたまま、古くなった機械人形のように
ゆっくり画面から彼へと視線を移した。
声もなく、ただ数回首を横に振る。

私は、ちゃんとミュートにしたはず。
ミュート状態の画面がすぅーっと上へ
上がっていった光景が記憶に残っている。

もう一度大津川の手の中の画面に目をやる。
じゃあ、なんでミュートになってないの?

発熱しすぎて稼働が遅くなるPCのように
思考の巡りが悪くなる。
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