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優しいヒトに虐められてます。
第9章 ここは猫カフェだから
「うぅっ……ぐすっ……」
後でかけなおして、だって……
絶対チエミに嫌われた……

深い友情を築けていたと思っていた相手が
突然消えてしまったのだと思うと、喪失感で涙があふれる。

「あー……ハルさん、チエミさんには悪いけど、一応教えとくと
たぶん今彼女は、急ぎでおトイレに行ってるだけだと思うよ」

へ……??

「どういうこと……? トイレ?」
「えーっと……つまり」
なぜか上半身裸の彼は、わざわざハルの傍まで移動してきた。
白く硬そうな胸板。きれいに骨の浮き出る鎖骨。
意外といい身体をしているが、今は目を瞑る。
彼は、耳元で言いにくそうに囁いた。

「チエミさんは、もう我慢ができなくて
オナニーしにトイレに行ったんだよ」
「え……お、おな…………
なんで……?」
大津川が困った顔をする。

「本当にわからないの?」
速攻で二回頷くハル。

「えっとね、ハルはあらかじめ『イヤなら切っていい』って
言ってあったでしょ? つまりその時点で、君のお友達が
電話を切っていない以上、イヤではなかったってことはわかるね?」

「で、でも、切るに切れなかったのかも……」
というか、チエミはさっき現にそう言った。

「だったら向こうがミュートにする必要はないでしょ」
「何でチエミはミュートにしたの?」
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