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優しいヒトに虐められてます。
第10章 森で暮らす女の子のちょっとえっちな日常
カツ、カツ、カツ、カツ……
少女の履くシューズが
乾いた音を立てる。
音は森に吸収されてあまり響かない。

木立の隙間を埋めるように降る
光の柱が重なって光のカーテンを作り
遠くにいくほど
景色が淡く、美しくかすんでいく。

(きれい……
ファンタジーの世界に
入り込んじゃったみたい……)

この森は木々の生え方が
あまり密ではないので
明るくて風通しが良かった。
足元もコケっぽくないので滑らないし
景色も見飽きないので歩くのが楽しい。
ちょっとしたピクニック気分だ。

「コテージまでどのくらいあるの?」
少女が隣の監督に尋ねる。
視線は道の両脇の景色に
絡めとられたままだ。

「20分から25分くらいかな。
コテージに着いたら
みんなが集まるまで休憩ね」
「ふふっ、お菓子食ーべよっ」

「本番でちょっとした飲食があるから
ほどほどにね」
「はーい。でも食事つきかぁー。
今日朝ごはんいっぱい食べちゃったなぁ。
あとリテイクも出さないようにしないと……」

「ちゃんと台本に書いてあったはずだけどー?」
「あ、そう言えばあの台本
もらってすぐに失くしちゃった」
少女はえへへ、と笑った。
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