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優しいヒトに虐められてます。
第10章 森で暮らす女の子のちょっとえっちな日常
どれだけ天井を見つめて
ぼーっとしていたのか。
とにかく少女の身体は
時間の経過を感じていた。

唐突に意識がはっきりしたのは、外から
人声が聞こえてきたからだった。

(やっとスタッフさん来たのかな!)

思って窓から外を窺ってみると
大人たちが撮影用の機材やら
衣装やらをもって、右往左往していた。
それに、スタッフの一人が
関係者ではなさそうな小集団を
取りまとめているのも見えた。

少女は靴を履いて外へ出た。
と、小集団の中の一人が少女の姿に気付き
指差して周りに教え始めた。

やがてキャーキャーと黄色い声が上がり始め
手を振ってくる者までいる。
男女問わず若者が多かった。
中には制服姿の者もいる。

「今日この森に観光に来ていた
ギャラリーですよ。
手を振り返してあげたらどうですか」
通りがかったスタッフに言われ、手を振る。
すると、歓声がさらに大きくなり
感極まって飛び跳ねる女子までいた。

(私、けっこう有名な女優みたい……)

彼らの反応は、明らかに
有名人を前にしたものだった。

「斎藤さん、そろそろメイクしますよー。
コテージ入ってくださーい」
メイク担当と思しき
男性スタッフに促される。

ギャラリー用スペースの設置に際して
スタッフから指示を受けている
ギャラリーたちに、少女はもう一度
手を振ってから、コテージへ引き返した。
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