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優しいヒトに虐められてます。
第10章 森で暮らす女の子のちょっとえっちな日常
〈ハル。聞こえる?〉
右のインカムから、鮮明な監督の声。

「聞こえるよー」
〈音量はどう?〉
「ちょっと小さいかな?」

少し間が空いてから、また声が聞こえた。
先ほどよりも音量が上がった。
「うん、いい感じ」

少し喋りながらさらに微調整する。
〈よし、音量と音質は問題なさそうかな〉
「左のインカムは撮影が始まってから?」

〈いや、今から入れるよ。両方入れてる状態で
外の音が聞こえるかどうかも、確かめないといけないから〉
やがて、左のインカムからも人声が聞こえ始めた。

最初は雑踏のさざめきくらいに
小さくて取り留めのない音だった。
音量が上がっていくにつれて
ギャラリー一人一人の
言葉が聞き取れるようになってくる。

「あっ、聞こえてきた」
〈外の音は聞こえそう?〉
「うん、大丈夫」

少女はギャラリーの言葉に耳を澄ませた。
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