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優しいヒトに虐められてます。
第10章 森で暮らす女の子のちょっとえっちな日常
マットを敷くと、少女は大木に背を預け
南を向いて座った。

足はまっすぐ伸ばす。
でないと、セーターがめくれて
下着が見えてしまう。

監督曰く、まだチラ見せする時ではないらしい。

足先はマットの外へ出ているので
靴を脱ぐ必要はない。

カメラが真正面からまじまじと撮ってくる。
その向こうにはギャラリーの姿。
そしてスクリーンには自分の姿。

それらの存在を視界から消したつもりで振舞うのは
かなりの精神的重労働だった。

折よく、風が吹いて少女の髪をさらう。
緊張で張りつめた頬を柔らかく撫でる。
威圧感までさらってくれるような心地よさだった。

「んん~、涼しい~」
本当にそう思ったので、アドリブで口にしてみた。

〈お、今のいいね〉
監督からもグッドが出る。
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