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優しいヒトに虐められてます。
第11章 笑い過ぎに注意
「……はぁ」
その吐息は、ハルに勝利を宣告するものだった。

「まあ、そのくらいスリルがある方が面白いかな」
「フフ。じゃあ決まりね」

ハルは心の中でガッツポーズを取った。
ハルが勝つ可能性は低いかもしれないが
とりあえず約束は取り付けた。

ここで何か卑怯な手を使うほど彼は
落ちぶれてはいない。
少なくとも純粋に勝利すれば
彼と本当にセックスができる。
しかも、嫌々ではない。

ハルは靴を脱ぎ、寝台に上がって大の字に寝た。
「さ、煮るなり焼くなり
好きにどうぞ」
「え、煮るなり焼くなりしていいの?」
「物理的にじゃないよ!?」
「わかってるよ。僕は食人族じゃない。
じゃあ、容赦なくやらせてもらうよ」

うぅ~! なんかすごく緊張する!!
これに勝てば、トウキくんと……

想像するだけでちょっと濡れてくる。

「ちょっとくすぐり羽根もってくる」
そう言ってトウキは奥の部屋に消えた。

道具まで使うってことは、やっぱ本気だよね。
これ、ほんとに私勝てる見込みある……?
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