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優しいヒトに虐められてます。
第13章 雨と美術館
「え……」
ただただハルは困惑し、万札から身体を遠ざけた。

「これじゃ足りないなら3万足す。
別に身体を買うわけじゃないし、いいでしょ。
上と……下も脱いでくれるならさらに2倍出す」
淡々と言ってのける彼に、恐ろしさ以外感じられなかった。

大津川にバングルの試験者のバイトを誘われた時とは
まったく違う。
少なくとも、今のこの古田には従ってはいけない
そんな危険な香りがプンプンした。

「ごめん、そういう問題じゃ……」
「じゃあどういう問題?
俺はただ絵を描きたいだけ。
さっき湧いたインスピレーションを
絵に興したいと思ったけど、俺の画力が足りないから
先に腕を磨く必要がある。
だから君に脱いでもらいたい。
それが俺の問題。
で、そっちはどういう問題?」
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