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優しいヒトに虐められてます。
第13章 雨と美術館
「ハル。何であの男の部屋についていった?」
口調は穏やかだったが、責められている気がした。
「……ごめんなさい。何もしないって言ったから。
その時の言葉は、本当に思えたから……
でも、絵を描き始めたら豹変して……迷惑かけてごめんね」

「いや、ハルの判断力が人並み以上にあることは
僕が知ってるよ。相手が特殊だったんだろう。
警察にはどうする?」
「……できればもう忘れたい。でも、トウキくんが
警察に言うべきだと思うなら、そうする」

「ハルが嫌なら言わなくていいと思うよ。
こっちとしても、少し後ろめたい事情があるし」

後ろめたい事情って……

「……ほんとに、何してきたの?」

「危ないことはしてないよ。
ちょうどバングルを持ってたから、罠にはめて
宣誓させただけ。もうあいつはハルに近づけない」
「なら後ろめたい事情って?」
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