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優しいヒトに虐められてます。
第14章 初めての看病
――さかのぼること数時間前。

たっぷり眠ったハルは、朝の気配に
すがすがしいほどすっと目が開いた。
大きく伸びをし、隣の存在に気付いて目をやる。

そういえば、昨日はトウキくんが助けてくれたんだった。
起きたらもう一回ありがとって言おう。
ん……?
なんかトウキくん、顔赤い……?

恐る恐る彼の額に手を当ててみる。
「熱ッ!!」

えっ!? えっ!?
どういうこと!? 何この高熱!?
はっ!! まさか昨日、風邪引いた状態で
無理して私を助けに……!?

「うそ……どうしよどうしよ」
他人の看病など生まれてこの方したことがない。
母親にはよく熱を出した時にされていたが
とうの両親は子の自分よりなぜか健やかで
風邪をひいて寝込んだところなど一度も見たことがない。

「きゅ、救急車? い、いやでも大げさかな……
それにトウキくんそういうの嫌いそうだし。
チ、チエミに電話しよ」

ハルは早朝から申し訳ないと思いながらも
チエミに電話をかけた。
今のところ、ハルの友人で大津川の存在を知っているのは
チエミだけだ。
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