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第15章 彼のとっておき、そして・・・

奥の部屋から出てきた大津川は
台に載せていろいろ運んできた。
テレビ型の小型スクリーン、透明な液体の入ったボトル
PCが一台、そして横長の直方体の白い箱。

彼はまずスクリーンとパソコンを繋ぎ
ハルに身体を起こさせ膝にスクリーンを載せた。
重さを感じさせない軽さが今時だった。
しっかり高そうなヘッドフォンまで装着させられる。

彼がパソコンを操作すると、スクリーンにも
パソコンの画面らしい映像がそのまま映し出された。
「まずはこのAVを鑑賞してもらうねー」
「ええー……」
「ぶいぶい」

大津川と一緒に見るとなると、ちょっと
集中できなさそうな気がした。
今回もだいぶ力が入っているようだが
彼のことだからそういうところは考慮してなさそうだ。

彼が『イケメンマッサージ師に媚薬を塗られて・・・』
というタイトルの動画の再生ボタンをクリックした。

内容は媚薬マッサージ設定らしく、女優も結構きれいで
男優にはイケメン属性がついているところを見ると
男女両受けを狙ったアダルトビデオらしい。

彼がこの日のたったこの一回のためにどれだけ
厳選したのだろうと思うと
真面目に見なければという義務感に駆られた。