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優しいヒトに虐められてます。
第15章 彼のとっておき、そして・・・
せっかくナホがウキウキしているのに
楽しい気分を壊してしまいそうな気がして
私は自分から話を変えた。
「ナホはやっぱり芹沢くん?」
「えっ、何でわかったの……?」

あっ、本気だったんだ。

あまりにも露骨に芹沢くん大好きオーラが出ていたから
多少なりとも演技が入っているのだろうと思っていた。
今も芹沢くんの写真しか見てなかったし。
どうやら完全に素だったらしい。

これじゃあ悪い男に引っかからないか心配だ。
引っかかるよりは、どちらかと言えば
彼女には引っかける側であってほしいというのが
親友としての私の願いだった。

――かくいう私も、ある意味では
今の彼に引っかかってしまったも同然だったが。

「あっ、ここじゃない?」
カタログにあった地図通り、駅から徒歩数分の位置に
教えられていた通りの名前のマッサージサロンがあった。
こぢんまりとしているが、こじゃれている。

「こんにちはー」
ナホに続いて、私も店内に足を踏み入れた。
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