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優しいヒトに虐められてます。
第15章 彼のとっておき、そして・・・
「……彼氏と、あんまりうまくいってないの?」
赤石が遠慮がちに尋ねてきた。
「うーん……っていうか、彼、結構病んでて……
私がいないと、きっとダメになっちゃう気がするの」

「でも、それって、青山さんはずっとその彼に
縛られちゃうんじゃないの?
もっと自由な恋愛したいとは思わない?」
「思わないこともないけど……
あの人のこと理解してあげられるのは
私だけかもしれないって思うと……」

ベッドの横に立つ赤石が急に静かになった気がした。
「ごめん、こんな話――」
「それでも俺は、やっぱり
向井さんの言う通り、別れた方がいいと思うな」

「……」
「……ごめん、気に障った?」

隣でナホと芹沢が談笑している。
芹沢は有言実行、すでにナホを楽しませている。

「……ねえ、真面目に聞いてくれる?」
「え……」
赤石はしばらく言葉を忘れたように静かになり
今まで一度も止まらなかった手が止まった。

「うん」
と、しばらくしてようやく一言返し、マッサージを再開した。
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