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優しいヒトに虐められてます。
第15章 彼のとっておき、そして・・・
私と赤石の耳に、ナホたちの会話は丸聞こえだった。
もともと距離が近いうえに、興奮が高まっているせいか
二人とも押さえていると思っている声は
意外と押さえられてない。

時々卑猥な単語が直接聞こえたりもして
赤石と共に身体に変な熱が帯びた。

当たり前だが他人のこういうところを
直接見聞きしたことなどないので
かつてない妙な興奮というか、緊張があった。

どうやらたった今ナホが更なる要求をしたらしく
しかも芹沢はそれをあっさり呑んでしまったらしい。

そして、芹沢とナホが黙った折に、その音が聞こえてきた。

クチュ、クチュ、クチュ……
ズチュ、ズチュ、ズチュ、ズチュ……

「向井さん、もうこんなにしちゃって。
音、響いちゃうじゃん」
「だって…だって……ぁっ……」

ナホぉぉぉぉ!!
ほんとにそこまでしてもらうつもり!?
ここまで行ったらもう
本番やらないわけにはいかないよ!?
まあ、当然ナホの方がそれを望んでいるから
今こういう展開になっているんだろうけど……

まさか、意中の相手が働くマッサージサロンに訪れて
初日で本番までもっていくほど
ナホがプレイガールだとは知らなかった。

私の背中をマッサージする赤石の手からも
緊張が伝わってくる。
ごくごくまれにあるとは言ったが、実際
こんな状況でのマッサージなどほとんど経験がないだろう。

ほんとにごめん、赤石くん。
芹沢くんはなんか面白がってそうだけど……
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