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優しいヒトに虐められてます。
第16章 彼の秘密
「結局、僕は折れて君に工作物に関して色々話すようになった。
君は僕の作った工作物の仕掛けを、僕が作ったことを伏せて
みんなに披露して自慢した。
みんながたかって凄い凄い言い始めた後で
僕が作ったものだって、みんなに教えたんだ。
『大津川くんは凄い子なんだよ』
『ほかにもたくさん凄いの作ってるんだよ』って」

覚えている。
そんなことをはるか昔に言った覚えがある。
そして傍には、誰かの姿があったはず。

「ハルがたくさん僕をほめてくれたおかげで
僕はみんなから話しかけられるようになった。
みんなが僕の工作物をほめて
みんなが僕にもっと見せてって言ってきて……
世界が変わった瞬間だったんだ。

いきなり手のひら返してそれまでのことを
なかったことにされたのはムッとしたけどね。
まあ、よくも悪くも、その頃僕らは子供で単純だったから」

「あッ!!!」
ハルは大声を上げた。
ついに思い出した。

彼の顔を見つめる。
「もしかして、大津川くん!?
教室でいつも工作してた!!」

幼少期の彼のかわいい女の子のような顔立ちが
はっきりと思い出せた。
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