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優しいヒトに虐められてます。
第17章 恋人
彼とデートを重ねるうちに知った衝撃の事実があった。
彼の「力の入った私服」は壊滅的に「ダサい」のだ。

ファッションに通じているわけではないハルからしても
明らかにダサいとわかるのは、致命的だった。

そもそも彼は、手持ちの品から選んでいるらしく
新しく買うという選択肢そのものが
思いつかないようだった。
そしてその手持ちの品が、どれも組み合わせづらいものばかり。

そんなわけで、最初にハルからデートに誘った時の内容は
「今度トウキくんの服、探しにいこうよ」なのだった。

最初の誘いはもうちょっとロマンチックな内容がよかったが
彼は彼なので仕方がない。

彼にファッションの概念を叩き込むのも
きっと恋人としての役目の一つだ。

――そんなこんなで恋人生活に何となく慣れてきた頃。

デートの帰りに送ってもらった彼にそのまま
泊まってもらうことが多くなり
(もちろん約束なのでエッチなイベントは一切ない)
次第に、ハルの家で彼との半同棲生活へと移行していった。
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