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優しいヒトに虐められてます。
第17章 恋人
今日が仮の恋人としての最後の生活。
この生活の目的は、お互いをより深く知ること。
そしてそれでも付き合いたいという意志があるかどうかを
再確認すること。

不安はない。
ただ、少しドキドキするだけだ。
仮初の恋人関係の先は、何になるのか。
普通の恋人関係?
今更関係の名称に変化があったところで
何が変わるのか。

何も変わらないも良し、何かが変わるも
それはそれできっと新鮮な感覚だろうから良し。

あぁ…ドキドキする……

「ハル、空いたよー。もうすぐお湯沸くと思うから」
服を身に着けた彼が出てきて、ハルの思考は打ち切られた。
「ありがとー」
お湯張りの音声も耳に入らないほど
没頭していたようだった。
同じバラエティ番組が引き続き放送されていた。

ハルはお湯が溜まったことを知らせる音声が流れると
着替えを準備して浴室へ向かった。

時刻は午後10時35分。
0時まではまだもう少しある。

ちょっとゆっくり浸かろうかな。
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