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堕とされる
第1章 罠
上司の言葉に愕然とした。
一瞬にして頭の中は真っ白になった。


「こんなに上手くいくとはね」

横山さんはギシリと音を立ててベッドの端に座ると、手を伸ばし俺の左頬をスルッと撫でてきたのでゾッとした。
女に触られるのは大歓迎だが、男に触られるのは無理だ、勘弁して欲しい。
そっちの気は全く無い。


「お前が入社してきた時から、こうなる事を待ちわびていたよ」

頬を撫でた手が胸元に伸び、片手でシャツのボタンを外しにかかるものだから、俺は必死でその腕から逃れようとするが、手も足も拘束されていて逃れる術がない。


「ちょっ…、マジ勘弁して下さいよ、なんの冗談っすか?ここまでの悪戯なら我慢します、誰にも口外しません、なので早く拘束解いて下さい」

時々社内の飲み会で酔っ払った横山さんにケツを触られたりした事があったので、悪い冗談かとそう思いたかった。


「悪戯?冗談?まさか、俺は本気だよ」

ジッと俺を見つめる表情は真剣そのもので、悪戯を仕掛けている雰囲気は皆無だった。
この時俺の脳裏に“絶望”の2文字が浮んだ。


「1週間溜めたんだろ?あいつに絞り出して貰うつもりだっただろうけど予定変更だ。今日からお前の射精は俺が管理してやる。じっくり男の味を覚えさせてやろう」

そう言いながら全てのボタンを外し終えると、シャツの前を広げる。
俺は同性から性の対象にされるなどと考えた事も無く、これから起こり得る事を想像しようにも脳が拒絶するが、それでも鳥肌は立つし、冷や汗もかく程気持ち悪く受け付けられなかった。


「マジ勘弁して下さいよ、横山さん。俺そっちの気ないっすよ…」

今ならまだ冗談で済ましますから、そう口にしてみるが、俺の焦る表情を見れば愉快そうに俺を見下ろしてくる。


「まぁ最初は男同士でヤるなんて無理と思うかもしれないけど、調教が進む内に男の良さに目覚めるさ。女を抱くよりオンナになる悦びをお前に味わわせてやるよ」

「ヒッ」

急に乳首を摘まれて、身体がビクンと反応する。
今まで女の乳首を弄った事はあっても、自分の乳首を弄った事も弄られた事も無く、それは驚きの反応でもあったが、ジクンと腰や下半身に疼きが走る反応でもあった。

「1週間溜めた甲斐があったな。射精を我慢するとな、身体が敏感に反応するようになるんだよ」

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