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堕とされる
第1章 罠
俺はマジマジと横山さんの顔を見つめた。
普段温和な雰囲気で、部下から慕われる優しい横山さんの面影は無かった。
通勤焼けの浅黒い肌、凛々しい眉、少しタレ目がちな二重の目、鼻梁はそこそこ整っている、唇は少し分厚め、顎には朝剃ったであろう髭が少し生えて来ている。
どこからどう見ても“男”しか感じない。
年の頃は36か37歳くらいだっただろう、見た目は中の上で性格良し、仕事も出来るし何より独身、社内の結婚適齢期の女性の一部から人気のある人物だったが、恋人の有無などのプライベートが全く掴めない人物でもあった。
「本当に勘弁して下さいよ…」
いくら腕を揺すろうとも、拘束が緩む事はない。
「こんな…社内の人間を罠にハメてどうにかしようなんて、横山さんらしくないですよ…」
俺はなんとか思い止まって貰おうと、必死で横山さんに訴えかけた。
「人妻とどうにかなろうと思っていたお前に言われたくはないね」
そう言い返されると何も言えない。
世間的に見ても、既婚者と知りながら性的な事をする事は許される問題ではない。
既婚者側のパートナーから訴えられても文句は言えないだろう。
本当に安易な考えだったと今更思う。
あの時はなかなかヤれる女性が見つからず、ようやく見つけたのが彼女だった。
人妻だと言う事を知った後でも、バレなきゃ大丈夫だろうと思っていた。
月の半分以上家にいないのだから、隠れて会えばパートナーにバレないだろうと思っていた。
このチャンスを逃したら、もう次は無いかもしれないという状況が、俺の背中を押したのは言うまでもない。
しかし今のこの状況を見て思う。
女を使って罠にハメて俺を拘束し、俺の同意も無しに性的な事をしようとする横山さんはどうなんだ?と。
「…でも俺と彼女の間には同意があった…。けど俺は横山さんとの事に同意した覚えは無いし、これからも同意する事はないですよ。それでもするって言うなら、それは…」
「それは?」
「…レイプ…ですよね」
横山さんは黙って俺を見下ろしている。
よし、この調子で俺が畳み掛ければ横山さんは諦めるだろう、そう思って続けた。
「レイプは不倫なんかよりよっぽど大問題ですよ。犯罪ですからね」
普段温和な雰囲気で、部下から慕われる優しい横山さんの面影は無かった。
通勤焼けの浅黒い肌、凛々しい眉、少しタレ目がちな二重の目、鼻梁はそこそこ整っている、唇は少し分厚め、顎には朝剃ったであろう髭が少し生えて来ている。
どこからどう見ても“男”しか感じない。
年の頃は36か37歳くらいだっただろう、見た目は中の上で性格良し、仕事も出来るし何より独身、社内の結婚適齢期の女性の一部から人気のある人物だったが、恋人の有無などのプライベートが全く掴めない人物でもあった。
「本当に勘弁して下さいよ…」
いくら腕を揺すろうとも、拘束が緩む事はない。
「こんな…社内の人間を罠にハメてどうにかしようなんて、横山さんらしくないですよ…」
俺はなんとか思い止まって貰おうと、必死で横山さんに訴えかけた。
「人妻とどうにかなろうと思っていたお前に言われたくはないね」
そう言い返されると何も言えない。
世間的に見ても、既婚者と知りながら性的な事をする事は許される問題ではない。
既婚者側のパートナーから訴えられても文句は言えないだろう。
本当に安易な考えだったと今更思う。
あの時はなかなかヤれる女性が見つからず、ようやく見つけたのが彼女だった。
人妻だと言う事を知った後でも、バレなきゃ大丈夫だろうと思っていた。
月の半分以上家にいないのだから、隠れて会えばパートナーにバレないだろうと思っていた。
このチャンスを逃したら、もう次は無いかもしれないという状況が、俺の背中を押したのは言うまでもない。
しかし今のこの状況を見て思う。
女を使って罠にハメて俺を拘束し、俺の同意も無しに性的な事をしようとする横山さんはどうなんだ?と。
「…でも俺と彼女の間には同意があった…。けど俺は横山さんとの事に同意した覚えは無いし、これからも同意する事はないですよ。それでもするって言うなら、それは…」
「それは?」
「…レイプ…ですよね」
横山さんは黙って俺を見下ろしている。
よし、この調子で俺が畳み掛ければ横山さんは諦めるだろう、そう思って続けた。
「レイプは不倫なんかよりよっぽど大問題ですよ。犯罪ですからね」