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Quattro stagioni
第12章 スタンダールの幸福 Ⅶ♡
肩で息をしながら、汗で顔に張り付く髪をはがしてやる。まだ、ぴくぴくと震える膣。俺の射精が治まってからも美月の身体は微かに震えたままだった。根元を押さえながらゆっくりと引き抜く。笑えるくらい萎んだそれを見られないようにしながらゴムを外し後処理を済ませた。
「ぎゅってしてください」
「…甘ったれ」
「イったあと冷たいと女の子にモテませんよ」
「…お前、俺がモテてもいいのかよ」
「嫌です。でも、いま、ぎゅってしてくれないのはもっと嫌」
「…ったく」
くしゃくしゃのティッシュをゴミ箱に向かって放り投げ、ベッドに仰向けのまま大きく腕を広げる美月の身体を抱き起す。押し付けられた乳房の柔らかさで一度は欲を吐き出したモノに再び熱が集まりかける。それをなんとか抑え込みながら抱き締めて、髪や背中を撫でた。すりすりと縋りついてくる身体からは甘い匂いに混じって汗の匂いがする。
「好きって言ってください」
「………」
「ねえ、中原さん」
「お前がその中原さんっての辞めたら言う」
「…うっ…それはちょっと練習が…、」
「じゃあ、練習。ほら、」
「……さん」
「聞こえねえ」
「浩志、さん」
おおう。思いの外、早く順応しやがった。えへへ、と満足そうに笑って、浩志さん浩志さんとしつこく呼びながら頬にキスをしてくる。
「……美月」
「はい」
「悪い。ちょっと、もう1回」
「いくらでも呼んじゃいますよ」
「いや、そうじゃなくて」
「…え?」
「治まんねえ。わりー、」
「ちょ、え!?きゃっ…あんっ…」
押し倒して強引に口づける。ついさっきまで俺を受け入れていた場所はまだぽかりと開いて、体液を溢れさせていた。指を挿し込んで、抜き差しを始めるとぐちゅぐちゅと卑猥な音が上がる。あっけなく達した美月が潤んだ目で俺を睨んだ。わりー、と言ってキスをして再びコンドームを装着する。嫌なら辞めるけど、と意地悪く言ってやると、辞めないで、と涙声で言うものだからそれだけで出そうになった。