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Quattro stagioni
第3章 リングサイズ調査作戦

「……9号で買っとけば?ああ、でも都筑さん細いし、手小さいから…」

ネットで検索すれば一般的に薬指のリングサイズが何号であるかなんてのは分かる。津田は俺が決めきれず調査を頼んでいる理由をなんとなく察したようで、うーん、と唸り声をあげる。

すらりと背の高い志保さんの手はアンバランスに子供のように小さい。繋いだ時に絡めあう指は力を込めればぽきりと折れてしまいそうな程にか弱く、細かった。

「都筑さんってあんまりアクセサリー着けてるとこ見たことないし…もしかしたら自分のリングサイズ知らないかもよ」

お、津田が乗り気になっている。一応、さり気なく聞くだけ聞いてくれ、と念を押したときには会社の前に着いていた。フロアに戻って志保さんにコーヒーを渡すと、ありがとう、と微笑む。

その場で抱き締めたくなったのをなんとか堪えてデスクにつき、仕事を再開。遠くから志保さんと中原さんの話し声が微かに聞こえるのはやっぱり面白くない。

本人が知らない可能性もあるだろうが、聞けばきっと答えてくれるだろう。でも、それでは驚かせることが出来ない。それに引っ越しで金がかかったから指輪なんかいらないと言うに違いない。

とにかく一緒に暮らしたいと引っ越しを急かしたのは俺だ。それに、大きいベッドを新たに購入したいと我侭を言ったのも俺である。念願の新居に中原さんが寝たことのある志保さんの家にあったベッドなど持ち込みたくなかったというのが本音だが、志保さんはそこには気付いていない。

「ね、藤、いいものあげる。この間サンプルで取引先からたくさん貰ったんだ」

悶々と考えながら仕事に勤しんでいると津田はデスクの引き出しから小さな包みを出してこちらへと手を伸ばした。なに、と問いながら受け取る為に手を伸ばす。

ころんと手のひらに転がったのはラッピングを施されたワインレッドの液体入りの小瓶。直径1.5センチ程度のキャップの部分にはシリコン製らしき飾りが嵌っている。

「……なにこれ」
「ネイルカラー」
「いや、それは見れば分かる」
「上手く使って。そういうの考えるの得意じゃん」

これをどう使えと。曖昧に礼を言って鞄に押し込む。深い色は志保さんの白い肌によく似合いそうだ。気まぐれに塗って遊んでいることがあるから嫌がりはしないだろう。
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