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Quattro stagioni
第4章 ♡ la mia gattina

おずおずとドアを開くと室内は灯りが落とされていた。とは言え、時は真昼間である。薄暗いような明るいような奇妙な空間。こだわり満載のベッドの上で紙袋の中身を物色している藤くんはまだ服を着ている。ずるい。

「おいで、猫ちゃん」
「……」

くそう。なんだか藤くんがいつもよりセクシーに大人びて見えるのは何故だ。むっと膨れっ面でベッドに上がるとタオルに包まったままの私を抱き締めて頬にキス。

「まず、耳からですね」

ふわふわと手触りの良い毛並の着け耳。手際よくそれを私に装着すると、今度は手をぐーにして出せという。それに従うと手袋のようなものを嵌められた。

内側はタオルのような素材だが、小さめの造りなのか中で手を開くことが出来ない。両手をそれぞれ覆ったものは猫の手を模しており、手のひらの側は見事に肉球まで再現されている。

「やばいです。まじでかわいい。足もつけますね」
「…変態!」
「なにを今更」

涼しい顔で言いながら肩に引っかかっていたタオルをベッドの下へ放る。藤くんの顔は既に興奮で一杯だ。セクシーなのににやけている。私の両足にも猫足のフットカバーを着けると、にやにやを深くして紙袋の中から真っ赤な首輪を取り出した。

りん、と鈴の音。どきどきと心臓が煩くなる。本当にそれも着けるの?と聞くように藤くんの顔をじっと見ると唇に甘い毒をくれる。

優しい手つきで苦しくない程度に首輪をつけていく。僅かに揺れるだけでも中央の鈴が、りんりんと音を立てる。

「……恥ずかしい」
「史上最強にかわいいです。写真撮っていいですか?」
「嫌だ」
「……1枚だけ」
「藤くんのスマホのクラウドがハッキングされたら私のこの姿どこぞの変態に見られておかずにされるかもしれないよ。そうなってもいいの?」
「……写真は諦めます」
「そうしてください」

やや悔しそうな顔になった藤くんは胡坐をかいて私を正面から強く抱き締めるとむき出しの背中をいやらしく撫でていく。漏れる声を飲み込んで藤くんにしがみつきたいのに、もこもこの猫の手を装着させられている所為であまり自由に動かせない。
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