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Quattro stagioni
第5章 ♡ call my name
私の耳の付け根に吸い付いてから、肩、二の腕とゆったり撫でていく藤くんはどこか悩ましげな表情だ。手を伸ばして頬を撫でてあげるとにこりとするが、やはり私が素肌を晒すことが気になるらしい。だが、季節は巡り、再び夏がやってきている。藤くんの要望通り長袖の服など着ていたら茹蛸になってしまうかもしれない。
「明日から距離ちょっと注意するからさ、ね、ほら、藤くん、キスしてください」
「キスだけで良いんですか?」
「あなたでいっぱいにして。他のものなにも目に入らないくらい」
「お安いご用です」
さっと掠めるキスをして離れていこうとする唇を、自分の唇で追った。下唇を食んで、舌で歯列をなぞる。彼の口内に入れようとした私の舌を押し戻すようにして藤くんは自分の舌を私の口内に挿し込む。ねっとりと絡めあえば、頭の奥は容易くじりりと痺れる。
肩や二の腕を撫でていた手が乳房に触れた。輪郭を撫で上げて、まだ反応僅かな乳輪を引っかくように撫でられると中央の尖りはぴんと張りつめる。キスから離れた唇が、ふうっと息を吹きかける。肩を震わせると彼は撫でていない方の乳首を口に含んでいやらしく吸い上げた。
「んっ…、」
じれったく乳首をいじめたあと、藤くんは必ず私の乳房に強く吸いつく。紅い華を咲かせて、にやにや笑いながらそこを撫でるのはかなり変態じみているのでそろそろ辞めさせたい。痛みを覚えるほどに強く吸われると下腹部は熱を帯びた。
脇腹を撫でながら股間に手が到達。直接そこを触れられなくとも、とろりと蜜を溢れ出させているのは自分でもよく分かる。
「あっ…ん、あっ」
乳房にむしゃぶりつきながら器用にクリトリスをきゅっと抓む。それから手のひら全体で秘裂を覆って、もみしだく。爪先からじりじりと登ってくる甘い痺れについ腰が浮けば、諌めるように乳首を噛まれた。
「どうして欲しいか言ってください」
舌先でれろれろと乳首を舐める合間に言うのはずるい。乱れる息を感じながら、藤くんの耳に触れる。柔らかい耳たぶをふにふにと弄んで、分かってよ、と無言で訴えても彼は私の言葉を待つだけだ。