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仮初めの恋人
第2章 私のフィアンセ~摂津凪子の依頼~
「いく時って必死すぎて酷い顔してると思うから見られたくないのに……」
「その顔が可愛いんだよ」

見られたくないと言ってるわりに、凪子ははしたない自分の顔を見て貰いたいという真逆の欲求も芽生えていた。

幸二朗も息を弾ませ、汗の玉を浮かべている。
真剣なその顔を見詰め返していると凪子の興奮も高まってきた。

「あっ……そこっ……んっ……気持ちいいっ……すごい擦れて……ああっ……いくっ……幸二朗っ……イクよ……」
「ああ。ちゃんと見てる」
「幸二朗も気持ちいい?」
「もちろん」
「嬉しい……あっ……いっ……いきそうっ……いかせてっ……」

更に少し幸二朗は腰のピッチを速める。
勢いで浮かんでいた汗が揺れ流れ、凪子の顔に滴り落ちてきた。
その雫が何故か快楽の甘味を上げ、下腹部の内側が悲鳴を上げた。

「そ、そうっ……そこっ……い、いくっ……いくうっ……ああっ!!」

凪子は一瞬だけ目を見開き、とろんと潤ませて目を細める。

「いっ……ちゃった……」
「ああ。見ていたよ」

二人は瞳を逸らさずその一部始終を共有しあった。

「いってるのにそんなに動かれたら辛いわ……」
「僕もイキそうなんだ……」

幸二朗は照れ臭そうにそう告げた。
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