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仮初めの恋人
第2章 私のフィアンセ~摂津凪子の依頼~
声を出してはいけない、大きな音を立ててはいけないと意識すればするほど、身体は濃い反応を起こしてしまう。

パジャマのズボンを脱がされ、彼の手は内ももを撫で回してきた。
抵抗するようにぴたりと閉じたところでほとんど意味をなさない。
ゆっくりと肌の表皮神経を刺激されていくうちに、砂浜に掘った穴のように、じわじわと潤液が滲んできてしまった。

(本当にやめてっ……)

目で訴え、首を横に振り、彼の手首を握って押し返す。

『逃げないで。僕を信じて』

幸二朗の目はそう言っていた。
彼の考えは分かるし、確かにそこまですれば母も連れて来た相手は婚約者とまではいわなくとも、恋人だということは信じてくれるだろう。
けれど……

(お母さんにセックスしてる音を聞かせるなんて……)

罪深くて不道徳過ぎる。
何より生理的に受け付けない。
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