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仮初めの恋人
第2章 私のフィアンセ~摂津凪子の依頼~
彼の指がショーツのクロッチ越しに秘唇を撫でる。

「あっ……」

思わず出てしまった吐息を恥じるように凪子は両手の平で口許を押さえる。
幸二朗の指はピアノの鍵盤を叩くような軽やかさでその部分をタッチしてきた。

声はおろか呼吸も潜めている。
部屋には凪子がもがいて摩れる布の音だけが、しゅっしゅっと静かに響いた。

(気持ちいいっ! そんなにされたらっ……無理になっちゃうっ!)

指戯の心地よさに堪えるしかない凪子はかかとや爪先をシーツの上を滑らせながら往き来させる。
唇を噛んでキッと結んだ口、涙を湛えて天井を見上げる絞られた目、両手はシーツを強く握り締めていた。

止めて欲しいのに身体はもっと可愛がって貰いたがっている。
幸二朗の指がショーツの腰ゴムにかかると、軽く腰を浮かせて脱がせてもらいやすくしてしまう。

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